「なにがあったの?」
最近、ニュースで目にした「港浩一氏と大多亮氏が提訴される」という報道。
フジテレビの元トップにいったい何が起きたのか?
気になって調べてみたら、思った以上に深刻でショッキングな内容でした。
この記事では、今話題となっているこの問題について、できるだけわかりやすく、そして事実に基づいて解説していきます。
そもそも、提訴された理由は何?
フジテレビ社内で起きた性暴力事件が発端
事の発端は2023年、元タレントの中居正広氏(※同姓同名別人の可能性もあるとの報道あり)がフジテレビの女性アナウンサーに対し、業務中に性暴力を働いたという衝撃的な事案。
被害にあった女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患うほどの深刻な状態になりました。
しかしこの事実が社内に伝わったあとも、当時の経営陣だった港浩一元社長と大多亮元専務は、
「これはプライベートの男女トラブルだ」
と判断し、事実上“もみ消し”ともとれる対応を取っていたことが問題視されました。
法的責任を問うための提訴
この不適切な対応が原因で、フジテレビはスポンサー企業のCM出稿が見送られるなど、深刻な経済的損失を被りました。
実際に、親会社であるフジ・メディア・ホールディングスの2025年3月期の決算では、初の赤字に転落したことが報告されています(出典:朝日新聞)。
フジテレビはこれらの損害に対し、当時の責任者だった港氏と大多氏に対し、
- 善管注意義務違反
- コンプライアンス対応の怠慢
- 企業イメージの毀損
などを理由に、損害賠償請求を視野に入れた法的措置に踏み切ったというわけです。
港浩一氏と大多亮氏、それぞれの立場と現状は?
港浩一氏の現状
港氏は2025年1月にフジテレビ社長を辞任。
現在は表立った活動は確認されておらず、公的な職務や発信は行っていないようです(2025年6月6日現在の情報)。
大多亮氏の現状
一方、大多氏はその後関西テレビの社長に就任していましたが、今回の問題が発覚したことを受けて、2025年4月に社長を辞任。
事実上、業界からの退任状態となっています。
社会全体に問われる「組織の在り方」
この一件、単なる社内の不祥事に留まりません。
企業の「危機管理」や「コンプライアンス体制」、そして「性暴力への向き合い方」が問われる深い問題です。
「見て見ぬふり」や「事なかれ主義」が、どれほど大きな代償を生むのか——
今回の件は、その現実を突きつけたとも言えるのではないでしょうか。
情報ソース(出典)
- 朝日新聞デジタル|https://www.asahi.com/articles/AST652W0BT65UCVL028M.html
- 沖縄タイムス|https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1598257
- 毎日新聞|https://mainichi.jp/articles/20250605/k00/00m/040/195000c
- 山陽新聞|https://www.sanyonews.jp/article/1736146
まとめ|「責任の所在」が今、問われている
企業のトップに立つ人たちの一つひとつの判断が、社員一人ひとりの人生を左右することもある。
「なぜ正しい対応ができなかったのか?」
「本当に守るべきものはなんだったのか?」
この問題を通して、私たちもまた、考えさせられるのではないでしょうか。
フジテレビを支えた名プロデューサー、港浩一とは?
今回の提訴で注目を集めた港浩一氏。
「聞いたことある名前だけど、どんな人?」という方も多いかもしれませんね。
実は港氏、フジテレビの黄金期をつくった立役者のひとりなんです。
港浩一氏のプロフィール
- 生年月日:1952年5月15日(73歳・2025年現在)
- 出身地:北海道木古内町
- 学歴:早稲田大学第一文学部卒業
1976年にフジテレビに入社し、当初は人事部に配属されましたが、すぐに制作畑へ。
その後は、バラエティ番組の演出・プロデュースで頭角を現します。
手がけた代表番組(一部)
- 『夕やけニャンニャン』
- 『とんねるずのみなさんのおかげです』
- 『夢で逢えたら』
- 『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』
このあたりを観ていた世代には、まさに“テレビのヒットメーカー”という印象ですよね。
制作部門では部長やセンター長を歴任し、2013年にはフジテレビの常務取締役に昇進。
その後は、共同テレビ社長、そして2022年にはフジテレビ社長に就任しました。
ところが2023年に起きた社内の性暴力事件対応が大きな問題となり、2025年1月に社長を辞任。
現在は、表立った活動は確認されておらず、公的な役職にも就いていません。
人柄・エピソード
業界内では「現場主義のプロ」として知られ、タレントや若手スタッフからも信頼の厚い存在だったとか。
ただ一方で、社内での影響力が強すぎたという声もあり、いわゆる“港会”という非公式な社内会合の存在も報道されています。
プライベートでは週刊誌に不倫疑惑を報じられたこともあり、公私ともに注目を集めてきた人物です。
港氏の華やかなキャリアと比べて、今回の問題はあまりにも大きな影を落としています。
「なぜ、あの港さんが…」という声も、業界内では少なくないようです。
参考・出典:
- Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/港浩一)
- 朝日新聞(https://www.asahi.com/articles/AST652W0BT65UCVL028M.html)
- 週刊女性PRIME(https://www.jprime.jp/articles/-/35281)
フジテレビ「月9」ブームを生んだ立役者・大多亮とは?
港浩一氏と並んで、もうひとり今回の騒動で注目を集めている人物が、大多亮(おおた とおる)氏です。
「大多さんって誰?」と思う方もいるかもしれませんが、実はあの“月9ドラマ”ブームをけん引したプロデューサーなんです。
当時ドラマに夢中だった世代にとっては、まさに“神”的存在と言っても過言じゃありません。
大多亮氏のプロフィール
- 生年月日:1958年(2025年現在で66歳)
- 出身地:東京都台東区浅草
- 学歴:早稲田大学教育学部卒業
1981年にフジテレビに入社。最初は報道部門にいたそうですが、1986年からドラマ制作の世界へ。
ここから彼の快進撃が始まります。
誰もが一度は観た、代表ドラマたち
大多氏が手がけた作品には、誰もが耳にしたことがある名作がずらり。
- 『東京ラブストーリー』(1991年)
- 『101回目のプロポーズ』(1991年)
- 『愛という名のもとに』(1992年)
- 『ひとつ屋根の下』(1993年)
「月9」といえばラブストーリー、そして若者の心に響くテーマ。
当時の若者文化そのものをつくった存在と言ってもいいくらいです。
ちなみに大多氏本人は、「月9は“頑張る女性の応援歌”だった」と語っています。
そんな想いが詰まっていたからこそ、多くの視聴者の心を掴んだのでしょうね。
フジテレビからカンテレ社長へ
プロデューサーとして名を上げたあとも、キャリアは順調そのもの。
- 2012年:フジテレビ常務取締役に就任
- 2022年:フジテレビ専務取締役に昇進
- 2024年6月:関西テレビ(カンテレ)社長に就任
フジテレビだけでなく、グループ内の要職も歴任してきました。
ですが、2023年に明るみに出た“性加害問題”の対応に関する責任を問われる形で、2025年4月にカンテレ社長を辞任しています。
ネット時代への対応にも尽力
意外かもしれませんが、大多氏はテレビ界のデジタル化にも積極的でした。
2009年には「デジタルコンテンツ局長」に就任し、YouTubeやネット配信などのプロジェクトにも関わっています。
また、女性向け専門チャンネル「LaLaTV」の再編にも携わり、現場から経営、そしてネット分野まで幅広く活躍してきた人物です。
大多亮氏は、かつてフジテレビの「看板」ともいえる存在でした。
それだけに、今回の件で名前が出たことに、驚いた方も多かったのではないでしょうか。
参考・出典: